算数のテスト解答~小話から

ホント、うろ覚えで申し訳ないのですが何年も前に何かで聞いた小話の再現です。(かなり私風にアレンジしています)

学校の先生に呼ばれたお父つぁんと息子。 お父つぁんは先生からの息子の成績があまりにも悪く、特に算数のテストの回答がなっていませんというお叱りを受け、先生の前で親としてしっかりと子に説教します。

 

父:おい、なんだこの算数の答案は!なになに、

「みかんが12個あります。4人で同じように分けるのにはどうしたらいいでしょうか?」

ふむふむ、それでおめぇはどう答えたんでぇ、「それは難しい」だと!なんだこりゃあ(ポカッと頭をはたく)

ちゃんと答えろ。 ねえ、先生すみませんね~こんなふざけた答えで。ほんとすんません。

子:でも、だって

父:ばかやろー、口答えすんじゃねえー

子:そんな~でも、父ちゃん、難しいんだよ、みかんを分けるって。

父:おうおう、何が難しいってんだ、言ってみな。

子:だってさ、同じように分けなきゃならねんだよ。

みかん12個ったって、大きいのもあれば小さいのもあるじゃねえか。

父:そうだなー・・・確かにな・・・。先生、難しい問題でやんすね。

子:それに、

父:なんでぇ、まだあるのけ

子:うん、形だって丸いのも歪んでるのもあるし、色だってきれいなのとか、まだ青いのとか、

それに味だって甘いのも、酸っぱいのもあるんだぜ。

父:先生、こりゃー小学3年生にはちと難しい問題なんじゃぁありゃあせんか?

子:だからさ父ちゃん、これね、全部のみかんを絞ってジュースにしてみんなで分けたらいいんじゃないかぁ。

父:おーそれだ、それだ、それがいい。でかした!これが大正解だな!!!

ねえー先生、こんな回答でいかがでござんしょう?

 

この父は「親業」で学ぶような対応をしているわけではありませんが、この話を聞いていると、子どもならではの疑問と発想に感心させられ、そして大人の「こういった算数の問題は割り算で解くのだ」という思い込み・決めつけに気付かされる思いでした。子どもの方は真剣に、様々に考

えるきっかけとなった“実践算数”の時間と言えるなあ~とも思いました。 もちろんこの子どもの思いも大事にしつつ、その上で算数・数学のテスト問題にどう答えるのかという課題もありますが。

ちなみに講座で使う「親業」の本の表紙にこんな文言があります。

「子どもの考える力を伸ばす親子関係のつくり方」

「自分で考える子どもに育てる」、そんなヒントが親業の学びには山盛りです♡

「自分で考える子どもに育てたい」と実は願っているのにも関わらず、ついつい「これはこうするものだ」とか「私の言う通りにし

なさい」と言って、我が子や生徒の自由な発想や豊かな疑問を封じ込めてしまっていたのではないかと改めて自分の過去を振り返り、今だったらどうするか、今後どうしていくのか考えさせられています。

 

2022.4.29